現代時評plus《紛争をあおるのか?それとも・・・》片山通夫

米国CNNから仰天のニュースが週末近い木曜日に届いた。

《エルサレムの「首都」承認、6日に発表 トランプ米大統領⇒米国のトランプ大統領が6日にエルサレムをイスラエルの首都と承認し、国務省に対してテルアビブにある大使館をエルサレムに移転する指示を出すことが分かった。政権高官が明らかにした。》

当然ながらこのトランプの暴挙に、イスラム諸国は大ブーイングで迎えた。まさに火薬庫に火を投げ入れた状況と言っても過言ではない。幸いにして我が国はテルアビブに置かれている日本大使館をエルサレムに移動させる様子は今のところない。安倍アメリカ追随政権もそこまでは馬鹿でないと言うことだったらいいのだが…。

一方、韓国のハンギョレ新聞は、《北朝鮮「核武力完成」翌日に国連事務次長の招請を確定…北朝鮮核対話始動 ⇒国連の最高位級要人の1人であるジェフリー・フェルトマン政務担当事務次長が4日間の日程で5日に北朝鮮を訪問した。フェルトマン事務次長の訪朝は6年ぶりの国連最高位級訪問で、先月29日の北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星-15」型発射以後に再燃した朝鮮半島「強対強構造」の緩和に大きく寄与するものと予想される。》

また《韓国大統領 13日に中国を国賓訪問=習主席と首脳会談へ》というニュース。文大統領の訪中は就任(2017年5月10日)半年で決まった。この時期に中国が国賓として朝鮮半島の一方の大統領を招聘した意味は大きい。
先に中国は(12/4付)「やるだけのことはやった」と追加対北制裁に拒否する意思を示したと中国官営環球時報が報じた。またロシアの外相も最近、朝鮮半島の危機状況に関して《北朝鮮と米国を同時に非難した》という報道もある。しかし我が国のマスコミは「朝鮮半島有事」をあおるような記事ばかりが目立つ。こんな時こそ冷静な分析や報道が必要なのだが、まるで翼賛会だ。
我々は「中東と朝鮮半島というきな臭い地域での日本と世界のマスコミの動き」を記憶しておきたい。決してトランプや安倍の思惑通りには進んでいないようにも見えるのだが。